怒ると顔が真っ赤になる

観察で怒りの増幅を抑えつつ、「怒りを抑える行動として自分ができていたこと」を評価していくと、メタ認知(客観的に物事を捉えること)もうまくできていきます。

ちなみに、これらの対策の効果は年齢とは関係ありません。子どもにも大人にも適用できます。たとえば、子どもが友だちとケンカをして相手を叩いてしまったときに「1回目は叩いたのに、どうして2回目は叩かなかったの?」と意識を「自分ができたこと」に向けることと共通しています。

ただ、メタ認知で自分を眺めることは年齢を重ねた人のほうが基本的に上手なはずです。これまでの経験の蓄積と知恵があるので、それらをうまく動員できるからです。問題になるとすればプライドでしょうか。「おれのほうが年上だ、経験値が高い」と思っていると、自分のプライドやアイデンティティーを傷つけられたような気がしたときに怒りが発火しやすくなるかもしれません。それでも、「観察」をしてみることがさらなる副作用を抑えることになります。

余談ですが、怒ると顔が真っ赤になるのはどうしてなのでしょう。よく、「頭に血が上る」といいますね。怒りで交感神経が活性化すると、末梢の手先、足先の血管を縮めて、闘ったり、逃げたりするために脳や筋肉に血液を集中させます。脳の血流量が増え、顔の筋肉や頬などが赤くなることも起きます。一方、怒ると顔が青ざめる人もいて、これは頬などの血管が収縮しているのでしょうね。

私たちの研究室で、人に悪口を言うなどのストレスをかけて、ストレスをかけられた人の脳の表面の活動を調べたことがあります。すると、我慢に関係する右の額あたりにある「前頭回」が活性化しました。面白いのは、我慢できなくなり怒りだしたときに前頭回の活動が一気に低下したのです。いわゆる「堪忍袋の緒が切れる」というやつですね。頭にきたときは、右のこめかみの前あたりを押さえて「頑張ってくれてるね」と話しかけてみるといいかもしれません。おまじない程度ですが。

※本稿は、『脳を乗っ取る感情(アイツ)からあなたを守る方法』(日経BP)の一部を再編集したものです。

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