かみさん会

ま、それはどうでもいい話だけど、おかみさんよ。その時、なんと31才だよ。なかなか、できることじゃないよ。この面倒見のよさ、気っ風のよさは、ああ、これが江戸っ子なんだなって感動したね。

そのあとだよね。噺家の奥さんは苦労が多いから、助け合えることは助け合おうって、おかみさんが会長になって『かみさん会』を作ったのよ。それでいろんな相談にのっていたら、ほかの噺家さんの奥さんたちから「ありがとう」の大絶賛。それが師匠を通してテレビ局に伝わって、おかみさんがテレビで取り上げられるようになった。

それを僕はそばで見ていて、「さすがは江戸っ子。いいことするなぁ」と思っていたんだけど、世の中にはイヤな人もいるもんでね。落語界には師匠よりエライ人がたくさんいるから、「なんで一人だけいい格好をしているんだ」とエライ落語家とそのおかみさん連中が怒りだして、呼び出されたりしたのかな。

嫉妬があったんだねぇ。結局、かみさん会は潰されちゃって、僕はおかみさんが泣いているところを見ているのよ。気持ちで作った会なのに、って。

※本稿は、『ヨレヨレ人生漫談』(小学館)の一部を再編集したものです。

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