親孝行な人ほど「今の生活のどの時間を『削って』、親の面倒を見るか」と考えがちですが、その状態が長く続けばいつか無理が生じます。時間や労力が奪われる感覚が続くことで、親子関係が悪化するケースも非常に多い。
それよりも、「毎週この時間は『余って』いるから、そこで実家に顔を出そう」と考えるほうが心の余裕が生まれ、親に対しても優しく接することができるのです。
また、離れて暮らす親が心配で、最初から手厚いサービスを受けさせるご家族もいらっしゃいますが、これも実は本人の自立を妨げたり、心身を弱らせたりするリスクがあります。
たとえば実家を訪ねた時、母親がコンビニで買った小さなお弁当を食べていたとします。子どもとしては、「料理が好きだったのにお弁当なんて」「栄養は足りているのかしら」と心配になるでしょう。
しかし実際は、これまで母親は家族のために料理を頑張っていただけかもしれません。そしてご飯は食べているので栄養面も問題ない。それなのに慌てて食事配送サービスを申し込んだり、「私が作りに行く」と手を出したりしたら、買い物という外出の機会を奪ってしまうことになります。
このような「やりすぎ介護」を防ぐには、親の生活に深入りしすぎず、普段通りの距離を保つことが何より大切なのです。