(イラスト:ナツコ・ムーン)
親の介護で後悔しないためには、どんな心構えや備えが必要なのでしょうか。専門家2人がさまざまな疑問や困りごとに答えます(構成:山田真理)
【介護の基本】
Q. 離れて暮らす親の様子が以前と違う。これを機に同居するか悩んでいます

今までと同じ距離を保つ

高齢の親の心配ごとが増えてくると、自分の家の近所に呼び寄せたり、同居したりしたほうが安心だ、という方がいらっしゃいますが、私自身はおすすめしません。

住み慣れた土地を離れることで親の認知症が進んでしまったり、子どもが頑張りすぎて倒れてしまったり。つまり、物理的にも精神的にも「親が元気な時と同じ距離を保つ」のがベストなのです。

私は在宅・施設介護職員を経て、現在は企業で働く人を対象に介護相談を受けています。その経験から、「介護は家族が頑張るもの=親孝行」というかつての価値観とは逆のやり方のほうが、親も子に幸せになれると考え、「親不孝介護のすすめ」を提唱するようになりました。

いまや100歳以上の高齢者は、9万人を超えています。本格的に介護が始まる人の割合が急増するのが85歳ですから、介護が10年以上続く場合も。