《いいケア》を受けてもらうために必要なのは、本人が何を大事にして生きたいのかを、早めに共有しておくことです。

子どもは総じて、《親》という鎧を着た姿しか知らないもの。そこを乗り越えるのはハードルが高いですが、「私は将来こういう生活をしたいと思っているけど、お母さんはどう?」など、助言を求める体で聞いてみるといいかもしれません。

何をしている時が楽しくて、何が嫌なのか。それさえわかっていれば、ケアマネジャーも本人に合わせたプランを作成しやすいはずです。

私が介護の仕事を始めた20年前は、今以上に娘や息子の妻といった女性に負担が強いられていました。それを経験した親世代は、「子どもに迷惑をかけたくない」と思う人が多い。

しかし、老いは必ず訪れます。だからこそ、「何が子どもにとって迷惑か」「どんなことなら頼ってもいいと思うか」「自分が譲れないものは何か」を具体的に考え、家族と話し合う機会を持っていただきたいのです。

親の心身の変化に応じて、お互いにとっていい方法が何かを考え続けること。そして介護を頑張ることが目的にならないよう第三者に頼り、心の余裕を持って親の不安に寄り添ってあげること。それが最も「親孝行な介護」ではないかと思います。

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