舘 そう。たとえば共演者のセリフの応酬が続くワンシーンの後半に、僕のセリフが1行だけあるとするでしょう。そこで僕がNGを出すと、全員で頭から撮り直し。本当に迷惑をかけました。『あぶない刑事』を改めて観てみたら、僕のセリフの直前になると共演者たちの顔に、妙に力が入るのよ。(笑)
吉田 アハハハ! 「頼む、NGを出さないでくれ!」と全員に緊張感が走るんですね。(笑)
舘 こんなことでいいのかと思うけど、甘やかされてここまできてしまった。あと、気分次第で現場から帰っちゃったこともありました。……あれ? 気分で帰りますよね?
吉田 帰りませんよ!(即答)
舘 ある時、僕は「20時にデートの約束があるから、18時までに上げてくれ」と言っていたんです。そうしたら、共演の仲村トオル押しで18時半まで撮影が続いて。なので、「バイバイ!」と帰っちゃった。
吉田 すごいですね。
舘 そうしたら近藤課長役の中条静夫さんが、「舘さんがお帰りになったから、今日はここまでにしましょう」って。それでみんな帰ったそうです(笑)。そういった自由な空気が、今はなくなっちゃいましたね。システムのなかで映画を作らなきゃいけなくなった、と言うのかな……。
本来この世界って、自由でいい加減で、何が起こるかわからないくらいがちょうどいいと思うんです。でも今はみんな、セリフも間違えずにピシーッとやるでしょう?
吉田 そういう話が聞きたかったんですよね! 舘さんから聞けるのがすごく嬉しいです。
舘 僕らの仕事って、キチッキチッとしたところじゃなく、遊びやゆとりのなかに生まれてくるもの。もうちょっと余裕があってもいい気がしますね。
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