(写真提供:Photo AC)
今や生成AIは私たちの日常に溶け込み、ビジネスから創作活動まで、あらゆる場面で活用されています。そんな中、1983年からAIの胎動を感じてきたAI専門の研究者である黒川伊保子さんは「AIは、人間の感情を煽る感情ブースター。翻弄されずに乗りこなすには、ちょっとしたセンスがいる」と語ります。そこで今回は黒川さんの著書『AIのトリセツ』より一部を抜粋し、子どもにも伝えたい人工知能との付き合い方をお届けします。

生成AIはことばのモンスターである

AIは、どこまで行っても、単なる道具に過ぎない。人間のようにことばを操るので、つい「人間のように考える」かのように感じてしまうけど、人間とは違う演算をしているのである。

正確に言えば、人間の思考の一部を模倣して代替してはいるけれど、全体で言えば、とても大事な部分がないため、人間の知能とは違う。

生成AI(以下、AI)は、世界中のことばを喰って、壮大なことばの関係図を持つ、ことばのモンスターである。

関係を著すモデルは多次元行列の複雑なものだけど、要は、腹の中にことばをじゃらじゃら繋げて持っているだけのお化け。人間から与えられたことばをきっかけに、その関係図をたどって、ことばを紡いで吐き出すのである。また、ことばと同様に「音楽のパーツ」や「ビジュアルのパーツ」を保持していて、楽曲やイラストや動画も紡ぎ出してくる。