「ホラーならではの《見せる芝居》を自分で試行錯誤するのは、難しくもあり楽しかったです」

ホラー映画で見せ方を試行錯誤

挑戦といえば、この夏に公開される映画『口に関するアンケート』で、初めてホラー作品に挑みました。墓地で肝だめしをした大学生5人の証言から徐々に明らかになる、おそろしい真相。怪異だけではなく人間の闇の部分まで描いた背筋さんの原作を、「呪怨」シリーズで知られる清水崇監督が映像化した、新感覚の作品です。

この映画は、登場人物が事象について証言するシーンが、本編の半分近くを占めています。そこで求められたのは、ただ感情を表現するだけではなく、自分以外の特異なものに動かされているような、お客さんに視覚的な恐怖を伝える芝居。

自分がどう見えているかを俯瞰で意識しながら演じるのは、マルチタスクが苦手な僕にとって簡単なことではありませんでした。

カメラの動きに合わせて人にわからない程度に顔の向きを変え、目を見開いて恐怖を感じているのが伝わる角度に持っていく――といった、ホラーならではの《見せる芝居》を自分で試行錯誤するのは、難しくもあり楽しかったです。

監督は人の死に関する知識が豊富で、残酷なシーンでもテキパキと状況を説明してくださる姿に驚きましたが、さすがプロだな、かっこいいなと感じました。すべてが新鮮で、いい経験になりましたね。

本作は人の噂や呪いが軸になっていますが、僕自身はジンクスやゲン担ぎに対して、信じているともいないとも言えないくらいの距離感を保っています。そこに頼りすぎて、振り回されてしまうのは嫌。

そんななかでも実践しているのは、作品の顔合わせ時や撮影の安全祈願のお祓いに、役柄のイメージに合わせた服装で行くことでしょうか。撮影前の儀式的な場でそうすることで、気合が入りますし、安心感も得られるんです。