梅宮アンナ
梅宮アンナさん(撮影:本社・奥西義和)
19歳でモデルデビュー以来、カリスマ的な人気を博している梅宮アンナさん。2024年に乳がんのステージ3Aで闘病していることを公表し、現在も自らの体験を日々発信されています。そんな経験を通して、梅宮さんは「乳がんになって、私はやっと生きがいを見つけた」と語ります。そこで今回は梅宮さんの著書『フルコース がんと私と家族の日々』から一部を抜粋し、赤裸々ながん闘病記をお届けします。

右胸が縮んでいる

2024年5月下旬。いつもと変わらない朝のはずだった。

でも、その日は違った。

目を覚ましたら、シャワーを浴びて鏡を見る。それが私の毎朝のルーティン。タオルで濡れた体を拭いて、ふっと鏡に目を向けた、その瞬間、息を呑んだ。そこには昨日までとは明らかに違う自分の姿が映っていた。

右胸が縮んでいる――。

カップ数でいうと、Cカップから、Aカップぐらいにシューッと。それに乳首のあたりがえぐれて、なんだかデコボコもしている。

「え、私の更年期障害って、こうなんだ」

真っ先に、そんなことが頭に浮かんだ。

当時の私は51歳で、更年期らしい症状はほとんどなかった。体がほてったり、のぼせたりするホットフラッシュが出たこともなければ、唸り声を上げちゃうような頭痛を感じたこともない。「女性ホルモンの減少で、乳房が小さくなることがある」という話を聞いたことはあった。だから、自分の縮んだ胸を見て「ああ、これが私の更年期か」と妙に納得した。

けど、それだけで片付けてしまうことに、わずかな違和感もあった。

仕事をしても、ママ(クラウディア)とランチに出掛けても、ネットフリックスで映画を観ても、「ほんとに更年期障害なのかな」「ちゃんと診てもらったほうがいいかな」。ふっとした瞬間に不安がよぎる。そんな気持ちは日増しに大きくなって、段々、自分だけでは抱えきれなくなった。

気づけば娘の百々果にLINEを送っていた。

「ねえ、私のおっぱい、なんか違うんだよね。右と左が」

百々果はアメリカのカリフォルニアで暮らしていた。向こうは仕事中だったはず。

だけど、すぐに返事がかえってきた。

「えっ、どれくらい?」

「一個はシリコン入ってる感じ」

「えっ」

自分の胸の写真を送った。

「ママ、それマズいよ。病院へ行ったほうがいい」 

百々果の言葉は短かったけど、重かった。明らかに動揺している。でも、私にさとられないよう冷静なふりをしているのもわかる。だからこそ響いた。

百々果の反応を見て、更年期障害で片付けることはやめた。