「がんではありません」

数日後、Aクリニックから検査の結果が送られてきた。

「判定B」同封されていた医師からの診断書にはこう書かれていた。

「嚢胞です。がんではありません」

本当なら「がんではない」の一言にホッとするところだ。でも、私はなんだか安心できなかった。本当にそうなのかな。信じて放っておいていいんだろうか。自分からすがるように受けた検査だったけど、かえって心がかき乱された。

思わず、診断書をゴミ箱に捨ててしまった。

ママがそれを拾い上げて、

「よかったじゃない。これ以上調べなくていいから」

なんてのん気に胸を撫で下ろしている。

私は食ってかかった。

「でも、おかしいじゃない。血液検査もやってない、生検も取ってない。私はいまも痛みを感じているのに……、それで嚢胞って。納得できないよ」

このころには頭の片隅で「がんかもしれない」とは思っていた。

疑念以上、確信未満だったけど、右胸の形が変わって、半月もの間、強烈な痛みが引かないのは、どう考えてもおかしい。

Aクリニックの検査結果を見て確信した。やっぱり、私が求めていたのは、耳当たりのいい安心なんかじゃない。自分の体の中で、何が起きているか真実を知ることだ。