ドイツで感じた強烈な痛み
結果が出るまでの間、私はドイツのデュッセルドルフに行っていた。
以前から、パッケージのデザインに興味があって、友だちから「ドイツで『インターパック』の国際展示会がある」と誘われていたからだ。一般の人はなかなか参加できない、またとない機会。
ちょっとマニアックだけど、私は何かに興味を持つと、根っこから知りたくなる。そうなったときの行動力と決断力は自分でも驚くぐらい。もし就職の履歴書を書くなら、長所の欄にはこう書くはず。「猪突猛進」って。
いまさらキャンセルできるわけもない。右胸も縮んでいるだけで、幸いなことに痛みはない。まあ、大丈夫でしょ。
ためらうことなくデュッセルドルフへ飛んだ。
展示会は「素晴らしい」の一言で、私は大満足。華麗なデザインや使いやすさ、考え抜かれた包装用品の数々に感動するばかり。
でも、甘かった――。突然、右胸に強烈な痛みが走った。
胸が収縮して、周りの皮膚が引っ張られているような感じ。いや、なんだろう、右胸が渦を巻いて、私の体全体が無理矢理ねじ込まれていく……。そんな痛みだ。
何をしようにも、痛くて動けない。じっと我慢したところで治まることもない。
日本から持ってきたロキソニンを飲むと、少しは楽になるけど、それもほんの束の間。痛みが出たら、また飲む。瞬く間に手持ちのロキソニンが無くなり、現地のドラッグストアで痛み止めを買う。それでも、痛みは止まらなかった。たぶん、100錠以上は飲んだと思う。
「私の体、どうなっちゃうの……」
感じたことのない恐怖に襲われる。異国のドイツにいたことで、なおさら不安にもなった。これはマズイ……。
仕方なく、急遽、日本へ帰国することにした。
「申し訳ないんだけど、私、帰ります。なんだか、おっぱいの調子が悪いんで」
一緒に来ていた友だちにそう伝えると、みんなキョトンとしていた。