カジュアルな告知
6月13日。再び国立国際医療研究センターに行った。
あの日のことは忘れもしない。
マンモグラフィとエコーの結果を聞き、針生検を受けるためだ。
ようやく診断が出される。
私は最悪の結果になる覚悟ができていたけど、心配だったのはママもついてきたこと。ママは何か問題があっても、なんでもいいほうに考える。
右胸の形が変わったことや痛みがあることを伝えても、「そんなの気にしなくていいわよ」の一言。親にこんなこと言うのはどうかと思うけど、いつも「お花畑」にいるような感じ。そんなママに耐えられるかな。
もう一人、マネージャーもついてきた。
彼とはかれこれ30年近い付き合いだ。以前、私が所属していた大手芸能事務所時代からの担当で、その後、フリーになって、私が立ち上げた事務所でマネージャーをしていた。「アンナに何かあっては、今後の芸能活動が……」なんて心配したんだと思う。
診察室には女医さんが待っていた。
たしか、検査のときにもいた先生だ。ほんわかした雰囲気で優しそう。
「先生、今日は母が一緒でも大丈夫ですか?」
「あ、全然どうぞ、ぜひご一緒に」
あまりにも軽い口調で「ご一緒に」なんて言われたので、「あれ、がんじゃないかも」と思った。そして、私、ママ、マネージャーの3人が並んで、女医さんの説明を待つ。
緊張の瞬間……。
「えーと、がんがあります」
いきなりだった。
えっ、そんなにカジュアルに言うんだ。それが、私が最初に感じたこと。なんだか明るいな。でも、「やっぱりな」とも思った。