メリル・ストリープの原点

パリの映画館
パリでも『プラダを着た悪魔2』が公開中=写真提供:さかもと未明さん

それにしても、Part1から20年の時を経てPart2が公開されましたが、いまだ美しい、メリル・ストリープに驚かされます。先日77歳の誕生日を迎えたというショート動画をSNSで見ると、むちゃバズッていて。77歳で人生何度目かの黄金期、女の花道です。しかし、若い頃は相当苦労されたお方。

メリル・ストリープは、今でこそ世界中の憧れの的ですが、若い頃は苦労の連続。映画俳優を志して1976年公開の『キング・コング』のオーディションに臨むも、「なんでこんな不細工を連れてきた」とイタリア語で監督に揶揄され、イタリア語で言い返したなんて言うエピソードも。

なかなか映画の仕事が決まらず舞台で活躍していた時に、『ゴッドファーザー』などの出演で成功していた俳優ジョン・カザールと出会いました。その演技力にほれこんだ彼がメリルを映画界に売り込み、映画『ディア・ハンター』(1978)で共演し、2人は婚約。(推薦したのはカザールの親友だったデ・ニーロだという説も)。でも、撮影中にカザールが末期の肺がんと分かり、撮影終了後の映画公開の年に死去。それを看取ったメリル、どれだけ辛かったか。

その悲しみを忘れようとするかのように、テレビドラマ『ホロコースト/戦争と家族』撮影に挑み、ドラマは大成功。1978年に日本放映だから私は12歳で観たわけですが、すごい衝撃を受けたのを覚えています。もともとどこか薄幸そうな雰囲気に、苦労が積み重なり、並の女優ではできない難役をこなす「神通力」を掴んだのでは。とにかく、初期のメリルの主演作の役柄に漂う暗さ、薄幸さ、文芸性は半端なく、出演作リストを見るだけで気が滅入ります。(涙)