急がない、焦らない
4年ほど前のこと、急いで池袋駅前を歩いていたら段差につまずいて転倒してしまった。その恥ずかしいことといったらない。人混みもあるし、しばらく舗道の端っこに座り込んでしまった。
その際、私の体重を右手で支えたため、手の甲をねじってしまった。専門医に行ったら、
「骨折と同じくらいのダメージ」
と言われ、しばらく治療に通った。
あれ以来、とにかく余裕を持って移動している。思えば若い頃、起きてから家を出るまで、30分もあったらこと足りた。
歯を磨いて顔をパシャパシャ洗い、ちゃっちゃっと口紅をつけて終わり。今は家を出るまで2時間はみている。
ゆっくりと身体を目覚めさせながら新聞をとりに行き、コーヒーを淹れる。
NHKの朝ドラを見て、新聞もゆっくり見る。ブラシ型の美容機器のデンキバリブラシで顔を引き上げる。そして外出の身じたくをするのだが、いつもその時自分に言いきかせることがある。
「自分は忘れものをする人間なんだ」
「いつもチケットがなかなか出てこない人間なんだ」
だからこそ余裕を持って家を出る。余裕を持つためには、毎日のルーティーンを決して崩さない。