焦る気持ちが連れてくるのは
焦る気持ちは若い時の100倍くらいつらく、ネガティブなものを連れてくる。時にはタクシーの運転手さんを恨んだりする。
道が混んでいる時、
「お客さん。すみませんね」
と言われたら、
「時間はたっぷりあるので大丈夫です」
と笑って答えることを心がけている。
それにしても人生の残り時間は少ないのに、どうしてこんなにゆっくりしなくてはならないのだと思うが、焦っていいことは何もない。若い頃建てた私の家は階段が多く、宅配便がくると大変だ。
2階の洗面所にいる時、1階まで下りインターフォンにまず出る。それからドアを開け、露地を通ってまた階段を下り玄関に。この時どんなに気が急いても、ゆっくりと階段を下りる。転ぶのはたぶんこういう時だろうと心の中でつぶやくのを忘れない。
※本稿は、『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』(著:林真理子/幻冬舎)
72歳の人気作家が本音で語る「健康」「おしゃれ」「仕事」「お金」「人間関係」「趣味」。
確実に近づく「その日」を見つめ、今の1分1秒を楽しんで生きるための、痛快・人生論。





