通販で下着を買ってはいけない

いつもはデパートで買うようにしているのであるが、行く時間がなくて通販にした。2300円のショーツを頼んだところ、届いたのはなんと8枚セットである。それもピンクやブルーの派手な色が交じっている。もったいないからと使用していたのであるが、なんだかみじめな気分になってきた。

「もし交通事故に遭ったらどうしよう」

(写真提供:Photo AC)

それ以上に、いきなり倒れたり、気分が悪くなったりすることもあるだろう。

知り合いの男性が気分が悪くなり、救急車で運ばれた。その時一緒に治療室に入った男性の下着があまりにもボロいのを見て、

「絶対に清潔ないいものを着なくては」

と心に誓ったそうだ。彼は私の故郷・山梨の人だった。山梨といえば、休暇で帰ると他に行くところがないので、よく地元のスーパーに行った。田舎によくあるタイプのスーパーで、一階は食料品、二階はゲーム機や衣料品が置かれていた。よくここで帰郷した時用のトレーナーやパンツ(ズボンか)を買ったものだ。そうすると、たちまち自分が「田舎のおばさん」になるのであるが、それがとてもリラックスして快適だったのを憶えている。

2階はいつも人がおらず寒々としていた。下着売場だけが異様に広かった。そこで私は人生の真実に触れることになる。

レジで中年の女性が長々と何かやっている。もらいものの商品券やクーポン券を、店員と一緒に数えているのだ。レジ台の上には家族のものと思われる下着が何枚か置かれていた。

「いいなあ」

と私は思う。家族に新しい下着を着せようとこうして商品券やクーポン券を貯めていたのだ。これが愛情でなくて何だろう。