「小説は頭の遊び」
1995年から2014年まで19年にわたり、直木賞の選考委員を務めてきた。
半世紀にわたり、作家として活動してきたが、「純文学とエンターテイメントだと少し違うような気もしますが、小説はやっぱり頭の遊び。実人生とは違うイマジネーションの、ありそうでない人生を語る面白さを小説は背負っているんじゃないでしょうか」と語る。
阿刀田さんが文学に関心を持ち始めたころは、純文学が重視されていた時代。それに反発する思いもあったという。
「純文学とエンターテイメントを分けることは本質的ではない気もしているんです。私自身は作家として、真面目なことばかり書いていては小説の楽しさの意味がないだろうという考えを貫いてきました。何も役に立たないけれど、人生の楽しみに、ひとときのくつろぎになることが非常に大切」と振り返る。
『掌より愛をこめて 阿刀田高さいごの小説集』(著:阿刀田 高/新潮社)