説得されやすい性質

昨年は、自宅での単身生活を綴ったエッセー『90歳、男のひとり暮らし』(新潮社)を出版。老いをユーモラスに受け止め、前向きに生きる日々を軽妙につづり、反響を呼んだ。

今後の執筆活動について尋ねると、「半分くらいはエッセーもダメだろうと感じているんですよ。ちょっとかっこいいことを言わせてください。自分の生涯において、それなりに満足して書いてきたものの水準に達しない作品は発表したくないんです。もう自分の中の基準を維持することは難しいかな。つたない作品を世に出すことは絶対にしたくないんです」と語る。

阿刀田高さん
阿刀田高さん

半世紀にわたる創作活動に、自ら幕を下ろすことになると感じているそうだ。

ただ、「被説得力って自分で言っているんですけれど、私は説得されやすい性質。編集者がうまいこと言って来るとやりかねないところはあるけれどね」と穏やかに笑った。

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