セツとの出会いで変化

<看護婦としての成長が描かれる一方で、みなし子の直美が「家族」を求める姿も描かれてきた。家族につながる手がかりは、捨てられていた時に身に付けていたお守りだけ。ある日、直美は街で知らない男から「夕凪」と呼ばれる。男によると、かつて錦栄楼という遊郭で働いていた夕凪と呼ばれる女郎と直美の容姿がそっくりだというのだ。詐欺師の寛太(藤原季節)の協力を得て、母親を探すことに。ある日、母親につながる情報を、意外な形で知ることになった。看護婦見習いとして直美が働く病院に夕凪と呼ばれる女郎が搬送されてきたのだ。夕凪の本名はセツ。錦栄楼で働いている女郎だった。男と心中騒ぎを起こして運ばれてきたセツのもとに、錦栄楼の主人が乗り込んできて――>

セツさんを看護をすることになった直美は、「戻っても地獄」と表現するほどセツさんが生きづらい場所にいたことを知りました。直美はセツさんのために何もできないふがいなさもあって、心が揺らぐ部分もあったけれど、看護婦としてしっかり構えてセツさんに接しようと心がけていました。

<セツは、直美にかつて妊娠したことがあること、自分は怖くて産めなかったことを打ち明けた。女郎であった直美の母が産む選択をしたということについて「あんたのおっかさんは、よっぽどあんたに会いたかったんだね」と語るセツの言葉は、直美の心を動かした>

セツさんと出会ったころは、直美は自分の母親が女郎だとわかっていました。自分を捨てた母親に対しては憎しみに近い気持ちを抱いていたけれど、母と同じ女郎であるセツさんに出会い、セツさんの生き方や考えに触れたことで母に対する気持ちも少しづつ変化していくんです。