直美のやりたいことを確信

『風、薫る』場面写真
『風、薫る』/(c)NHK

<苦しい生活から脱出し、生きるために看護の道を歩み始めた直美だったが、次第に看護への思いが変化していく様子が丁寧に描かれてきた>

長屋のトヨさんも文さんも、「お金がないから医者を呼べない」と話していました。遊女のセツさんは、直美に看護されて、「人からこんなに優しくされたのは初めて」と言ったんです。セツさんの看護をきっかけに直美は自分が他人を助けたいと思う気持ちの正体が「弱い人を助けたい」ということだとわかりました。その後に、文さんを看取ったことが、直美が自分のやりたいことを本当の意味で、確信できた大きなきっかけだったと思っています。

『風、薫る』場面写真
『風、薫る』/(c)NHK

<劇中では、繰り返し「看護とは何か」が問われてきた。もう1人の主人公、一ノ瀬りん(見上愛)は、患者の気持ちに寄り添うあまりに看護婦の仕事から離れる結果に。トレインドナースという日本でまだ誰も就いたことのない仕事だからこそ、職業として確立するまでの難しさも描かれている>

看護は医療的な部分だけではなくて、患者さんと触れ合うなかで、相手を観察する力や寄り添うこと、人と人の関わりがすごく大事だということを感じました。看護に対するイメージが現代とは違うという点にも驚きました。

現場にいらっしゃる看護指導の先生方は「長く看護に携わってきても、初心に戻って看護とは何かを考える時がある」とおっしゃっていました。本当に答えがないものだと感じています。