「学校に行きたくない」と言われて
その後、長男と次男が生まれ、3人の子育てと絵本作家としての活動が同時に進んでいきました。当時妻も仕事を辞めていましたが、僕は家で仕事をしていたので、普通の父親より子どもと接する時間は長かったと思います。今でもよく一緒に遊ぶし、いろいろと話してくれるほうじゃないかな。
現在、上から高校3年、中学3年、中学1年の子どもは、それぞれ不登校を経験しています。長女が小学校2年の時に初めて「学校に行きたくない」と言い出した時は、かなり悩みました。
夫婦でたくさん話し合うなか、一緒に校門まで行ったり、教室の前まで送ったり。でもやっぱり行けない、行けない理由もわからない。
夜になると「明日は大丈夫か」と妻も僕も不安になるし、長女も「行けなかったらどうしよう」と悩んでしまって眠れない。家の中がもう、暗黒の帳(とばり)が下りたように重苦しくなりました。
そんな日々を過ごすなか、ある時パーンと発想の転換ができたのです。これまで僕たちは、家族を幸せにしようと頑張って働いて子育てをしてきた。なのになんでこんなにわが家が暗くなっているのか。学校がなんぼのもんだ、もう辞めちまえ! と。
それよりも家が楽しくて、居心地よくて、少しでも長い時間を過ごしたいと子どもが思える場所であることに全力を注ぐべきだ、と思い至りました。