5戸に1戸は住民登録がない

神戸市では、「タワーマンションと地域社会との関わりのあり方に関する有識者会議」の報告書の中に、今後考えられる施策の一つとしてタワーマンションの空室の所有者に対する法定外税導入の可能性が示されたことを受けて、専門的な見地から法定外税の可能性を検討する「居住と税制のあり方に関する検討会」がスタートしました。

そしてタワーマンションだけではなく、一般的な区分所有マンションも対象に加えて、非居住化の実態調査が進められました。具体的には、市内の区分所有マンション計1134棟・8万8467戸もの住戸について、固定資産税課税台帳と住民基本台帳を住戸単位で突合するという調査を実施しました(2025年3月時点)。

その結果をまとめたのが図表1−10です。住民登録がない住戸の割合は、都心エリアとそれ以外で大きく異なっていることが一目瞭然にみてとれます。住民登録がない住戸の割合は、中央区の「都心機能誘導地区」内が18・95%と突出して高く、それ以外の区や地区では5~8%前後でした。つまり、都心部の区分所有マンションでは、およそ5戸に1戸の住戸に住民登録がなされていないという実態が明らかになったのです。

一方、中央区以外の区や都心機能誘導地区外では、住民登録がない住戸は1割以下にとどまり、9割以上の住戸で実際に居住されている可能性が高いことが確認されました。

 

※本稿は、『マンション高騰の真実 都市部の「非居住化」が街を壊す』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
 

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マンション高騰の真実 都市部の「非居住化」が街を壊す』(著:野澤千絵/中央公論新社)

誰がどんな目的で、好立地の高額マンションを買っているのか。

著者は登記簿等を徹底解析し、国内外の富裕層や法人が、新築のみならず中古まで買い漁っている実態を明らかにした。

多くは転売・資産保有等の目的で抱え込まれ、住まないうえに売却時も住みたい人には売られない。どうりで買えないはずだ。

非居住化問題は、この先、マンション管理や都市政策に多大な影響を及ぼしかねない。住宅を住みたい人の手に取り戻せ。