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東京23区の新築分譲マンションの平均価格は急騰し、2026年には1億5000万円を超えました。これら都市部でマンション価格の高騰が続く背景について、明治大学政治経済学部政策学科の野澤千絵教授は「単に建設コストが上がったからではない。『住む人』よりも、『住まない買い手』が市場を席巻しているからだ」と語ります。今回は野澤さんの著書『マンション高騰の真実 都市部の「非居住化」が街を壊す』より一部を抜粋し、転売や複数住戸の購入が活発化するマンション市場の実態に迫ります。

登記簿調査を始めてみると……

実際に、どんな人たちが転売や複数住戸の購入をしているのでしょうか。その実態を見るために、千代田区を皮切りに、他区や大阪都心部の新築・中古マンションについて、登記簿の分析に取り組むことにしました。

709戸の登記簿を一枚一枚確認していく過程で、「これほどまでに『住まない買い手』が家を購入しているのか……」と、想像をはるかに超える実態に言葉を失いました。

同じ法人や個人が複数住戸をまとめて買っている。中古の同一マンション内で、大手不動産会社や不動産業以外の異業種の法人が何戸も短期転売している。転売後に外国居住者が取得している。東京と大阪という離れた物件なのに同じ法人名が現れる。はたまた外国居住者の住戸でも相続が発生している―。

所有者欄を見ていくと、全国津々浦々に住む人、外国に住む人や企業、さらにはウェブ上で調べてもすぐに事業実態がわからない法人など、いわば「顔の見えにくい買い手」が次々に現れました。

都心のマンションを中心に、住宅市場は「住まない買い手」たちの金融商品・投資として取り込まれ、「住みたい人」が押し出されており、市場の土台そのものが静かに変質していくような脅威をひしひしと感じました。