時々お喋りに行く

高野 一般に小細胞肺がんは進行が速いケースが多いですが、先生の場合は、薬も効いているようですし、想像されている通りなのかもしれません。

主治医の中川恵一先生は、診察の際にどのような――。

養老 いや、時々お喋りに行くだけですよ。基本的には、東大病院の呼吸器内科にかかっているんです。だけど、呼吸器の症状は何もないから、ついでに中川先生のところへ会いに行く。

高野 それはよいですね。今後、症状が出たり、不安になったりすることがあれば、そのときは、医療に頼るのがよいと思います。

養老 そうですね。人間はわがままだから。苦しいのは嫌だからね。

※本稿は、『“幸せ”よりも “居心地”のよい生き方』(ビジネス社)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
養老孟司が指摘する<日本独特の圧力>。「赤提灯で飲んでると『東大の先生とあろう者が』って言われたけど、どこで飲もうがこっちの勝手」
「がんになったのは生活習慣が悪かったから」と自分を責めていませんか?養老孟司「極論すれば<生きていること>が原因」東大の教え子と語る、がんとの向き合い方
室井滋「長く猫を飼っていると、そろそろ別れが近いとわかるようになる。うちの6匹は1匹を除いて私の腕の中で亡くなった」

“幸せ”よりも “居心地”のよい生き方』(著:養老孟司、高野利実/ビジネス社)

がんになった養老先生と医師になった東大の教え子が30年ぶりに再会──。

東大時代の思い出、自然と人間、がんとの向き合い方、理想の医療、そして明治以来の日本人が抱えるストレスまで、縦横無尽に語り尽くす。