無数の「見えない人」が生活をつくってる
カメラの前に立っている人が目立つけれど、その裏には照明を調整する人がいて、音声をチェックする人がいて、進行表を組む人がいて、編集する人がいて、スポンサーを見つけてくる人がいて……画面からは想像できないくらい、パパも把握しきれないくらい、たくさんの「仕事」がある。
パパはときどき家にスタッフさんを呼んで、君たちと一緒にごはんを食べたりしてたよね。あれは、「こういう人たちがいるから、パパの仕事は成り立ってるんだよ」って知ってほしかったからだ。
パパもテレビの仕事を始める前、お笑いスターを画面越しに見てるときは「この人たち、すげえな」って思ってた。でもこの仕事をするようになってからは、「その後ろにいるスタッフもすげえな」って思えるようになった。
目立つ人だけが偉いんじゃない。その人を支えている、見えない誰かがいる。そういう視点を持てると、見える世界が広がっていくよ。
そしてこれは、映画とかテレビとか作品をつくる仕事に限った話じゃないんだよね。君たちの生活にも、 数えきれないほどの 「見えない人」 が関わってる。
コンビニで買ったおにぎり。その棚に並ぶまでに、どれだけの人が「仕事」をしただろう?
お気に入りのTシャツ。だれが企画して、どこで縫われて、だれが運んできたんだろう?
そんなことを想像できる君たちでいてほしいんだ。想像できる人は、優しくなれるから。逆に、想像力の欠けている人たちが不要な争いを生んでいく、と言っていいかもしれない。
エンドロールをちゃんと見る。──これは、僕らに必要な想像力の象徴だと思う。表からは見えないだれかの働きに心を向けて、思いを馳せて、頭を下げられる人でいたいよね。
※本稿は、『20代の君へ。 働き始める前に読んでほしい父からのメッセージ』(田村淳:著/すばる舎)の一部を再編集したものです。
『20代の君へ。 働き始める前に読んでほしい父からのメッセージ』(田村淳:著/すばる舎)
タレントの枠を超え、多方面で活躍する田村淳さん。彼が「娘たちへの遺書」をコンセプトに書き溜めたInstagramを「働き始める前に読んでほしい父からのメッセージ」として、岐路に立つすべての人が共感して読める「生き方」「働き方」の書として再構成。
すべての20代へ、またこれから20代を迎える若人、かつて20代だった世代へ――。限りある生を、自由に、満足して生き切るためのヒントが詰まった「人生の地図」。





