社会問題を題材にしながら、マイク一本の漫談スタイルで笑いを生み出すスタンダップコメディショー「弁論」で注目を集める、こたけ正義感さん。現役の弁護士として活動する一方、30歳を過ぎてから芸人デビューした、異色の経歴の持ち主です。(構成:上田恵子 撮影:洞澤佐智子)
妻に背中を押されお笑い養成所へ
その後、1年間の司法修習を経て、12年に弁護士になりました。司法修習とはいわゆる研修で、司法試験に受かった人が、検察官・裁判官・弁護士のどれになるか、各職場を体験して自身の適性を考慮しながら決めていきます。ちなみに検察官と裁判官には人数制限があり、希望しても採用されないとなれません。
一般的に弁護士志望の人は就職活動をして、法律事務所などに面接に行きます。僕も1つ受けたのですが、結果は不採用。それですっかりイヤになってしまい就活をやめていたら、弁護士をしている先輩が世話をしてくれて。東京・池袋にある事務所に就職することができました。
ところが、大変だったのはここからです。弁護士って、とにかく書類と格闘して、大量の事務作業をこなさないといけないんですよ。夜の0時過ぎまでパソコンに向かって書類を作り、深夜に帰宅してまた仕事という日々が続き、疲労困憊。人のトラブルを扱う仕事柄、精神的にも厳しい。
まだ仕事に慣れていなかったせいもありますが、最初の3年間は「元気ハツラツ」とは言えない状態でした。