「オシャレ」をやめたいわけじゃない

ま、それはさておき、このようにして日々追試を重ね、ついに私は服の9割削減に成功したのであります!

しかも泣く泣く捨てたわけではない。終わってみれば、服にとっても私にとっても世の中にとっても「良いこと」をした気分。三方良しとはこのことだ。

(写真提供:Photo AC)

で、その結果どうなったか。

一言で言えば、なかなか「新鮮な」暮らしが始まった。

まず、今日は何を着て行こうかという悩みの時間がわが人生からがっさり消えた。これは誠に楽チンであった。最初のうちは、少ないアイテムでも工夫して日々コーディネートを変えたりしていたが、そのうち、昨日と同じ服を着て出かけることも気にならなくなった。

こうなってみれば、そもそもなぜ昨日と今日の服が同じじゃダメなどと信じていたのか不思議に思えてくる。心配していたような、心が沈むようなことも案外なかった。まあ至って普通だったんである。

なーんだ、これでよかった……

のだろうか?

正直に言えば、心に一点の曇りもなくそう言い切ることができない自分がいた。確かに心は平穏。でもそれは言い換えれば、心が浮き立つことがないということでもある。

私、本当にこれでいいのだろうか?

今さらモテたいなどと色気づくトシでもないが、それにしてもまだ50歳だし、出家したわけでもないし、普通にシャバ世界を生きる人間としては「外見に一切構わない人」になりたいわけじゃない。今も昔と同じようにオシャレは大好きなのだ。「私はオシャレをやめたわけじゃなくて、ただ服を減らしただけなんですー!」と、会う人会う人に言って回りたかった。