今の自分を見られるのは恥ずかしい、という思い
カラオケ屋さんで働くうちに、またもや「なぜ私は朝から晩まで、こんなことやっているのだろう」と思うようになり、結局そこも2ヵ月半で退職。
次に始めたのがレストランのウェイトレスで、これは3ヵ月続きました。理由は、常連さんの中にすごく素敵な土木作業員の男の子がいたから。勇気を出して「好きです」と書いた手紙を渡したものの、その現場の工事期間が終わって彼らが来なくなり、思いは成就せず。それを機に、私も店を辞めてしまいました。わかりやすいですね。(笑)
地元の友達と会って話したり、遊んだりということは一切していませんでした。中学の同級生の多くは高校に進学し、私は自分で選んでアルバイトをしていたわけですが、「今のどっちつかずの自分を見られるのは恥ずかしい」という思いは常に自分の中にありました。
その後も、駅前のファッションビルの洋服屋さん、レコード屋さんなど地元の店を転々としたものの、どれももって1~2ヵ月。しかも母にバイト代の一部を渡し、一番上の兄にお金を貸したりしていたため、働いている割に貯金が増えないんですよ。次の仕事が決まるまでの間、自分でもちょこちょこ使っていましたし。16歳から18歳の終わりまで続いたバイト生活ですが、最終的に手元に残ったのはほんの2万円程度でした。
地元を離れたのは19歳の時です。「劇団東京乾電池」の試験に受かり、バイトで得た2万円を持って、入所式に出席するために上京しました。奇しくもその日は私の誕生日。「これでやっと自分の好きなことができる。やったー!」という思いでいっぱいで、東京で食べていけるかどうかなどという不安は一切感じなかったですね。