あちらの世界で仲よく暮らす
私、このごろになって、彼に対して「悪いことしたなあ」と、後悔するんですね。仲はそんなにいいほうではなかったので、「あれもしてあげなかった」「これもしてあげなかった」「やさしくなかった」と。姑が亡くなって、子どもたちも家を出てからは、「お互い自由にそれぞれやっていけばいい」と、あまり声をかけ合いませんでした。入院する前あたりは夫も辛かったのか、ずっと不機嫌そうでした。私が友人や、仕事仲間、アシスタントさんに囲まれて楽しそうに仕事しているのを見てきて、寂しかったのかもしれません。
そんな夫が亡くなって、もう16年になります。
彼が望んでいた樹木葬にして、今は大好きだったけやきの木の下、日当たりのよい山の斜面の小さな小さな土のお墓に眠っています。
生きているときにあまり仲はよくなかったから、せめてあちらの世界では仲よく暮らそうと、夫のとなりの小さな小さなお墓に、私の名も刻みました。
※本稿は、『ひとりを楽しむ小さな習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
『ひとりを楽しむ小さな習慣』(著:みつはしちかこ/明日香出版社)
何歳になっても、人生はまだまだ楽しめる。
これまで誰かのために頑張ってきた人へ。
これからは、自分にもやさしく。
読むほどに心が軽くなり、明日が少し楽しみになる一冊です。




