町田 骨格筋には、大きく分けて持久力に優れた「遅筋(ちきん)」と、瞬発力を発揮する「速筋(そっきん)」があります。姿勢を保ったり歩き続けたりする時は主に遅筋が働き、立ち上がる、階段をのぼる、とっさに踏ん張るといった動作では速筋が重要な役割を果たします。
ウォーキングは健康づくりに効果的ですが、速筋への刺激は十分ではないため、速筋にも適度な負荷をかける筋トレを組み合わせるのがおすすめです。
原 以前はジムでダンベルを持ち上げたりしていましたが、関節を痛めてからやめてしまって。
町田 器具を使わなくても、自分の体重を負荷にする「自体重トレーニング」で十分です。大腿四頭筋や腸腰筋、そして姿勢を支える腹筋や背筋など体幹の筋肉をバランスよく鍛えましょう。
椅子に座った状態で太ももをゆっくり交互に持ち上げる運動は、腸腰筋の強化に効果あり。椅子に浅く腰かけて腕を胸の前で交差し、上体をゆっくり後ろに倒してもとに戻す運動は、体幹が鍛えられます。
スクワットもおすすめですが、椅子に腰を下ろして立ち上がる動作を繰り返すだけでも十分です。
原 簡単そうですね。どれくらいの頻度で行えばいいですか。
町田 遅筋を鍛える運動は、できれば毎日。一方、速筋を鍛える運動は週1〜2回、1日5〜10分程度でも効果が期待できます。ただし、ケガをしている時や、痛み、違和感がある時は無理をしないでください。
肝心なのは続けること。エスカレーターではなく階段を使うなど、日常生活のなかで体を動かす機会を増やすだけでもいいのです。
原 私は4年前から声楽のボイストレーニングを受けているのですが、これも少しは筋トレになっているのでしょうか。息苦しさの改善にも役立っていますし、オペラの発声は腹筋を使っている感覚があります。
町田 もちろんです。腹式呼吸を意識した発声は、腹筋や背筋など体幹を安定させる筋肉を無理なく刺激できます。とても良い方法だと思いますよ。