心の健康は体の衰えに直結する
原 声を出すって健康的ですよね。たまに友人とにぎやかに話したり、お腹が痛くなるくらい笑ったりすると、体だけでなく心も元気になります。
町田 人と話したり笑ったりすることは、健康を保つうえで大切です。社会との繋がりが減ると意欲や気力が低下し、外出の機会も少なくなってしまう。いわゆる「社会的フレイル」「精神・心理的フレイル」の状態です。だからこそ人や社会との繋がりは、筋肉と同じくらい意識していただきたいですね。
原 私も、心の持ちようで体はすぐに衰えてしまうものなんだと感じたことがありました。4年前に亡くなった夫は、もともと近所でゴミ拾いをしながら毎朝1〜2時間歩く人だったんです。でもコロナ禍以降に心の不調が出始め、出かけたと思ったらすぐ帰ってくるようになって。亡くなる直前には、歩く気力もなくしてしまったようでした。
町田 コロナ禍では外出や人の交流が制限され、多くの方が心身の不調を経験されました。原さんにとっても、本当に大変な時期だったと思います。
原 先ほどもお話ししましたが、夫の死にショックを受け、家に閉じこもっている時期がありました。家事もしないでじっと動かず過ごしているうちに、どんどん元気がなくなり……。そんな時、偶然わが家にやってきてくれたのが今の愛犬なんです。とても活発な子なので、「散歩に行こう!」と毎日誘われて外に出るうちに、少しずつ心も体も回復していきました。
町田 それは本当に良かったです。フレイルを予防するには、「何かをしたい」という意欲を失わないことが何より大切。なかでもわかりやすいサインが食欲です。食欲が低下して食事量が減ると、活動するためのエネルギーが不足し、体を動かすのが億劫になります。すると、お腹が空かず食欲がさらに落ち、悪循環に陥ってしまうのです。