歩き方を変える第一歩は、「自分の歩き方に気づくこと」

平井:歩き方というと、「姿勢を良くしなければ」「大股で速く歩かなければ」と頑張ってしまいそうですが、もっと小さなところからでよいのですね。

高平:はい。歩行は毎日の動作ですから、一回だけ完璧に歩こうとするより、無理なく続けることを優先してください。通勤や買い物、散歩の途中で、「今日は後ろ脚が少し伸びているかな」「左右に大きく揺れていないかな」と思い出すだけでもよいのです。

40代以降は、身体の変化を「衰え」とだけ捉えないでください。今まで無意識に行っていた動きを、一度見直す時期と考えることもできます。歩くことは毎日できる最も身近な運動の一つです。股関節とお尻の役割を知れば、ただ移動する時間が、自分の身体を整える時間にもなります。

平井:次に歩くとき、少しだけ「お尻」を意識してみたくなります。

高平:それで十分です。ただし、鼡径部(そけいぶ。脚の付け根)に痛みが続く、夜間も痛む、歩ける距離が明らかに短くなった、片脚で立つと強く痛むといった場合は、自己流で運動を続けず、整形外科で相談してください。痛みがある方は、「頑張って使う」前に、まず状態を確認してください。

股関節は、歩くためだけの関節ではありません。立つ、座る、階段を上る、旅行をする、ゴルフやテニス、ダンスなどのスポーツを楽しむ。日常のほとんどの動きに関わっています。まずは毎日の歩行から、自分の股関節を知ることを始めてみてください。

※本記事は一般的な健康情報を提供するもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。股関節に強い痛みがある方、すでに股関節疾患の診断を受けている方、手術後の方、転倒の危険がある方は、運動を始める前に主治医や医療専門職へご相談ください。

【番組情報】
・テレビ朝日「有働由美子の健康案内人!」番組公式サイト(2026年10月26日〜30日「お尻の使い方」関連放送)。
・テレビ朝日系番組表「有働由美子の健康案内人!」2026年10月27日〜30日放送情報(転倒予防、階段、立ち座り、長時間座位におけるお尻の使い方)。

【医学的内容の確認・参考資料】
・Liu MQ, Anderson FC, Schwartz MH, Delp SL. Muscle contributions to support and progression over a range of walking speeds. J Biomech. 2008;41(15):3243-3252. doi:10.1016/j.jbiomech.2008.07.031.
・Flack NAMS, Nicholson HD, Woodley SJ. A review of the anatomy of the hip abductor muscles, gluteus medius, gluteus minimus, and tensor fascia lata. Clin Anat. 2012;25(6):697-708. doi:10.1002/ca.22004.
・Miyatake K, et al. Japanese Orthopaedic Association (JOA) clinical practice guidelines on the management of osteoarthritis of the hip, 2024 - the third edition - secondary publication. J Orthop Sci. 2026;31(1):1-62. doi:10.1016/j.jos.2025.10.006.
・日本整形外科学会「変形性股関節症」『症状・病気をしらべる』。

元気な人の健康習慣
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高平尚伸教授が会長を務める​「日本股関節学会」が横浜で開催
2026年10月23日(金)・24日(土)、パシフィコ横浜で「第53回日本股関節学会学術集会」が開催されます。今回、会長を務めるのは高平尚伸教授です。
10月24日(土)の特別企画「トレーナーに学ぶ鼡径部痛のマネージメント」をはじめ一般の方も参加できる催しも。
詳細はこちら『股関節のミカタ』