究極の選択

先生にその不安をぶつけると、「確かにもしがんじゃなかったら、腎臓を無駄に失うことになります。ただ僕の経験では十中八九がんだと思う」とCT画像を見て言うのです。「でも悪い顔してない、この子は」。この子??本来なら深刻な話なのに、先生のその表現に僕は思わず笑ってしまいました。

実はこの先生が今でも僕を診てくれているのですが、深刻な状況の中にも飄々とした風を吹かせ、かといってふざけてるわけでもなく、そして権威主義でもなく、それでいて実績に基づいた自信を感じさせ、話しながら僕はすっかりこの先生を信頼するようになりました。

「考え方としては2つあります。がんかもしれないから取ってしまう。でも本当はがんじゃないかもしれなくて、その場合は腎臓取り損になる。もう一つはがんじゃないかもしれないから放置する。でもその場合、もしがんだったら転移の可能性もある」

ほんと究極の選択ですよね。

少しだけ悩みましたが、でも先生の経験に基づく勘を僕は信じ、左の腎臓を摘出することを決断しました。

宝塚の実家に帰って、母にもがんになったことを伝えました。すごくショックを受けていました(笑ってるけど)