タンパク質を制限されて
手術後、最大の困難は排便でした。なにせ、腹筋をばっさり切ってるので、全くお腹に力が入らないのです。でも胃腸は全く問題ないため入院中も食事はとっています。そのためどんどんお腹に便が溜まってくる。でも便を出したくても気張れないし、ほんとにお腹が痛くて泣きそうになりました。僕は便秘になったことはそれまでなかったんですが、便秘ってこんなに苦しいんだと初めて知りました。
腹筋を切り裂いた状況ではありましたが、まだ体づくりは諦めていませんでした。実は筋トレ用のゴムバンドを病室に持ち込んでいたのです。先生に確認し腹筋に力を入れない運動ならやっても大丈夫とのことだったので、上腕二頭筋と三頭筋、そして三角筋を中心に毎日少しずつ筋トレを行っていました。
壁に筋トレ用のバンドがかかっている
腎臓を取った、いわゆる片腎になると、食事にも大きな制限がかかります。まずタンパク質の大きな取得制限がかかる。僕は体づくりのためにこれまでは体重の㎏をgにして1.5倍ほどのタンパク質を毎日摂っていました。大体120gくらいですね。それがなんと半分の60gに制限されてしまったのです。
この時はもうさすがにボディメイクは無理だと思いました。なぜタンパク質の制限があるかというと、タンパク質にはミネラルのリンがつきものなんですが、腎臓が片方しかない場合、リンが適切に排出できず体の中に溜まっていきます。リンが体の中に溜まってしまうと、体の中でカルシウムと結合してリン酸カルシウムという結晶になり、これが尿を作り出すネフロンという組織の中にある尿細管を傷つけてしまいます。尿細管は文字通りとても細い管で、一度傷つくと元に戻らないんですね。なので片腎の場合、リンのコントロールがとても重要になってきます。
