手術から3ヵ月後…
そしてもう一つ気をつけなくてはいけないものがカリウムです。カリウムは野菜、果物、豆、海藻など、みなさんも普段食べているものにたくさん入っています。リンと同様に、片腎の場合カリウムが適切に排出できません。そのためカリウムが血中に溜まっていきます。カリウムが溜まるとどんなことが起こるかというと、最悪の場合、心臓が止まります。
実は、心臓の拍動は腎臓の細胞内外のカリウムとナトリウムの電位差で発生しています。血中のカリウム濃度が高くなってしまうと、この電位差がなくなり、究極的には拍動が起こらなくなってしまうのです。そこまで至らなくても、不整脈が起こります。
実際、自分が腎盂がんとわかる前、普通に歩いてても心拍が乱れることがよくありました。僕は心房細動なのかな?と思って、心臓を診てもらわないといけないなと思っていたくらいです。おそらくこの頃は左の腎臓がうまく機能しておらず、そのため血中カリウム濃度がかなり高かったんだと思います。
野菜も食べられない、タンパク質も摂れないとなると、必要なエネルギー量を確保しようとすれば食事は自ずと脂質が多くなります。僕はまだボディメイクを諦めておらず、体を絞りたかったので、腎臓病患者用の病院食の脂質が多いメニューはとても辛く、実は結構残してしまっていました。
そう、僕は3ヵ月後にボディメイクの大会に出る予定だったのです。退院予定が4月2日で大会は7月4日。そんなの無理でしょ?普通に考えればそうですね。でも僕はまだ諦めたくなかった。退院後も少しずつトレーニングを開始し、最終的にステージに上がることができました。
これはその時の写真です。ゼッケンの左上をよく見るとお腹を切ったあとがはっきりと見えますね。やはり絞りは甘く、腹筋も弱く、上位には入れませんでした。でも同じステージに上がったメンバーに手術のことを話したら、一様に驚かれました。
