2幕構成の大手術

先生は手術は2幕構成だと。2幕構成なんて、まるで舞台の話じゃないか(笑)。簡単にいうとこんな流れです。1幕目は横を向いた状態で背中から内視鏡を入れて腎臓と肺を結ぶ静脈と動脈を切り離します。そして2幕目は今度は体を仰向けにし、お臍の下あたりを切開して、先生が手を中に入れて腎臓を取り出すのです。先生が僕の体の中に手を突っ込んで腎臓を取り出すのはなんだかスプラッター映画のようで、話を聞きながら若干ニヤついてしまいました。2幕構成のこの手術は5、6時間くらいかかるので、1日に3人くらいしか手術できないとのことでした。

そんな2幕構成の大手術は、僕にとってはあっという間に終わりました。麻酔は2種類使いました。背中に細い管を入れる硬膜外麻酔と、もう一つはテレビドラマでもよく見るマスクをしてガス状の麻酔薬を吸入するものです。口と鼻を覆うマスクをしたあと、看護師さんが「3、2、1でだんだん意識がなくなっていきますからね」と言われ、カウントダウンされると本当にすっと意識が飛んでいきました。

気づいたら僕はベッドに横たわり、病室の中にいました。

「手術、終わったんだ…」

天井からぶら下がる点滴袋の輸液バッグを見ながら、僕はそう思いました。

この点滴バッグを見て、手術が終わったことを実感