引退記者会見で山口百恵さんは「8年間、歌手として、女優として悔いなく生きてきました。いい仲間にめぐりあえて幸せでした」と感謝の言葉を述べた(80年10月15日)(写真提供:共同通信社)

山口百恵は、自己管理の天才

そんな百恵さんも、恋愛の高揚感には抗えなかったようです。あれは78年に「プレイバックPart2」を発表した直後だったと思います。不意に「酒井さんの血液型は何ですか?」とかれて「AB型」と答えたら、彼女は「AB型、ねぇ~」と意味深に語尾を伸ばしたのです。後に三浦友和さんがAB型だと知って、「ああ、そういうことだったのか」と。(笑)

どうやら百恵さんは、私の近くにいた女性ディレクターには何かと相談をしていたようです。ある日、その彼女から「酒井さん、そろそろ百恵さんと話す時間を設けたほうがいいですよ」と促された。何かあるなとピンときてそうしたところ、本人から「1億人よりも、私は一人のひとを選びます」と打ち明けられました。何となく気づいていましたから、驚きはしませんでしたね。(笑)

それからまもなく、百恵さんは三浦さんとお付き合いしていることを公表し、半年後に結婚・引退宣言をしたのです。芸能活動を終えた翌日、孔雀柄の着物で挨拶にみえた彼女の美しさは、今でも目に焼きついています。

引退から40年経った今も、《山口百恵》という名歌手の輝きはしっかり保たれています。おそらく彼女の中には、2人の百恵がいるのでしょう。引退した時は、三浦百惠の幸せを願う《山口百恵》が。そして今は、三浦百惠が《山口百恵》の管理人となり、イメージを保つため表に出ないように徹している。大スターにして、自己管理の天才でもあると思います。