葬儀のことなんて考えられない

午後になって警察から電話があり、息子と一緒にお父を迎えに行く。死因は急性心筋梗塞だった。「さらに調べるのであれば、解剖しますがどうしますか?」と尋ねられたが、お父の体がさらに切り刻まれるのはつらいので、断った。

そのまま葬儀社に行き、お父は、遺体を安置する保冷庫に入れられる。葬儀の担当者からは長い説明を聞かされた。会葬所の部屋の大きさは、お花はどのランクに……と尋ねられても、とてもそんなことを考えられない! 息子がいてくれなければ、何も決められなかっただろう。

そうこうするうちに、通夜、葬儀の準備は進んでいく。まだほとんど訃報を伝えていないのに、翌日には、「突然大変ですね、何かお手伝いしましょうか」と噂好きの友人から電話がかかってきた。

大丈夫? と聞かれても、「大丈夫じゃない!」と怒鳴りたくなる。追い打ちをかけるように、義父からも電話が。お悔やみの言葉もそこそこに、「分骨をしてほしい」というが、冗談じゃない。

お父は幼いころに両親が離婚したため、祖父母の家で育てられた。義父とは6年ほどしか暮らしていないのに、あまりに無神経だ! だが怒りをぶつけるわけにもいかず、私は「それは無理なので……」と言葉を濁して電話を切った。