これが、いまのところのラフな見立てです。他にも、日本や中国、国連などとの外交関係が、このクーデターでどう変わって、ロヒンギャ問題にどのような影響を及ぼすのかなど、論点は尽きませんが、長くなってしまいそうなので、別稿に譲ります。
国軍に抗議することにどれだけ勇気が必要なのか
最後に告白をひとつ。クーデターの前日、私のコメントがある新聞に掲載されました。数日前から緊張が高まっていたアウンサンスーチーと国軍との関係について取材を受け、クーデターまではないだろうと答えていました。つまり、今回の国軍の動きを私は読みきれていなかったわけです。
いま、ミャンマーでは市民による抵抗が広がっています。街頭デモはもちろん、市民的不服従による公務員や銀行員のサボタージュもみられます。あの国で国軍に抗議することにどれだけ勇気が必要なのかを考えると、胸の詰まる思いがします。
ですが、多くの市民が街頭で抗議活動をしている映像を観ても、ミャンマーのこれからについて、私の頭には悲観的な予想しかまだ浮かんできません。今回ばかりは、私の予想が、言い訳のしようのないくらい、みごとに外れることを願っています。