EXILE一族のコンサートに行ったら脳みそが弾けた

鈴木 知らない世界といえば、小説の書き方を伝えるご本でなぜかEXILEの映画「HiGH&LOW」シリーズを熱く語ってらっしゃって(笑)。未見の私も、これは見なくてはならぬのではと思うほどの熱量でした。

三浦 お恥ずかしい。EXILE一族のコンサートに行ったら、あまりの彼らの輝きに脳みそがパーンと弾けてしまって。3日ほど何もできない、脳内が真っ白な時間を過ごしました。自分の感情や状況をまったく言葉で説明できないのは、初めてでした。

鈴木 普段は、ものごとをつねに言葉で考えているのですか。

『獅子座、A型、丙午。』

三浦 割とそうですね。鈴木さんは映像で記憶するほうではないですか。エッセイでも、情景描写がとても鮮やかですから。

鈴木 夢をカラーでよく見ます。誰々が赤いセーターを着ていたとか。それを起きてから言葉で人に伝えたくなります。

三浦 食べ物の描写もどれも美味しそうだし、街で出会ったエピソードの情景もみずみずしいですよね。滅多に私、こういうこと言わないのですけど――鈴木さんは小説書くの、向いてると思います。

鈴木 えっ、えっ、そんなの考えたこともないです。ゼロから物語を考えたり、人物像や背景を創造するなんて自分には絶対できないと思っています。

三浦 うんにゃ、そんなことねえだ。小説を書くのは非常に面倒な作業ですし、時間も必要なことですから、お忙しい方においそれと勧められるものではないですが。私みたいに他に何もできない暇な人間がやることだとは思うけど(笑)、――でも私は、鈴木さんの小説も読んでみたいなあって感じました。

鈴木 うわあ、どうしましょう。でもまずは、今の連載を頑張りたいですね。また2年続けたら2冊目を出せるかもしれないので。

三浦 楽しみです! そのときはまた、対談に呼んでください。

鈴木 ぜひ、お願いします。今日は本当にありがとうございました。