101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。

<100歳の100の知恵 33

『風邪気味のときは<おいしい良薬>を』

風邪気味かなと感じたときは、温かい飲み物を飲んですぐ寝床に入ると、本格的にひかずにすむこともあります。

私のおすすめは、ショウガ入りの葛湯。ゆるめに作った吉野葛にショウガの絞り汁を入れるだけですが、身体のなかから温まるし、なによりおいしいのです。

ときにはハチミツや黒砂糖を加え、甘くしていただきます。海外暮らしが長かった姑は、赤ワインを温めて飲んでいました。お砂糖を入れてもいいし、少しお湯で割ってもかまいません。ただ、ワインは一本開けてしまうと、あとが困ります。

冬には温かい飲み物を(イメージ写真提供:写真AC)

日本ならではの卵酒なら、その心配はありません。酒半カップに対して卵一個、砂糖小さじ二杯を小鍋に入れて、ごくごくとろ火にかけるか湯せんしながらかきまぜて、とろっとしたらできあがり。

ちょっと手間がかかりますが、おいしさを思い出し、ときどきふっと飲みたくなります。風邪予防も楽しくないと続かないので、「おいしい良薬を」が私のモットーです。

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