くんくんさんがInstagramに投稿したミニチュア弁当の写真。右下の籠も手作り

「オカン、天才か?」とTwitterでバズった

「私も太極拳のお教室に10年近く通ってたのですけれど、今はお休みしておりますよ」

と話してくれたのは、関西在住の「くんくん」さん。今年2月、息子で漫画家のボマーンさんが、自身のTwitterに「オカン78歳、粘土でいろいろ立体作りに凝っていたが、ついにテツを完成」と、アニメにもなった漫画『じゃりン子チエ』の登場人物のミニチュアの写真を投稿。「オカン、天才か?」と大いにバズった人なのだ。

 

 

「いえもう、年寄りの手なぐさみでお恥ずかしいかぎりです」と笑うくんくんさん。クラフト用の樹脂粘土でミニチュア作りを楽しむようになったのは、5年ほど前からだという。41歳から30年近く続けた自然酵母パンの店をたたむことになり、「自分で焼いていたバゲットとかカンパーニュをミニチュアで再現してみたいなあと思ったんです」。

パン屋を始めたときも、日本でほとんど知られていなかった植物由来の天然酵母に魅せられ、ほぼ独学でパン作りを身につけて店を開いてしまったという行動力の持ち主。それまで完全な専業主婦だったというからさぞ奮闘したのだろう。そんな思い出の詰まったパンや店先の風景を作っては、市の作品展で発表していたという。しかしそれも、昨年はコロナ禍で中止に。