「別に、俳優の仕事じゃなくてもいいんです。映画の世界に身を置いて、みんなと一緒に働けたら。」(吉永さん)/「医療と小説、この2つがあることで、私の中ですごくバランスが取れているんです。」(南さん)

映画の世界に身を置いて、みんなと一緒に働けたら

 お母様は人生を見事に生き切ったと思います。吉永さんご自身は、この先の人生をどんなふうに生きていかれるのが理想ですか? お仕事も生涯続けていこうと?

吉永 いえいえ、そこまでは求めていませんが、撮影が2ヵ月続いてもバテないだけの体力があるうちは続けていきたい。別に、俳優の仕事じゃなくてもいいんです。映画の世界に身を置いて、みんなと一緒に働けたら。南先生は現役のお医者様であると同時に作家のお仕事も。その前は編集者だったとうかがいました。

 それこそ、興味のおもむくままに流されてきたのだと思います。子どもの頃から人体に興味があったということもありますが、結婚後に編集者から医師に転じたのも、育児雑誌を編集していた時代に、たとえば「なぜ、おむつかぶれができるのか?」と小児科の先生に取材しても、完璧に理解できないことばかり。理由をきちんと知りたいという好奇心から、医学部を受験してみようと思ったんです。

吉永 さらに、小説まで執筆されて、素敵ですよね。何通りもの人生を生きていらっしゃる。

 いえいえ、医療と小説、この2つがあることで、私の中ですごくバランスが取れているんです。結局、頭の中ではいつも医療のことばかり考えていて、そこで疑問に感じたことや、実際の現場では答えの見つからないことを小説の世界で表現することができるので。

もうひとつ、私は18歳の頃から数年間、祖母が祖父を介護するのを手伝っていたので、介護の問題も私の原点になっています。そうした医療や介護の問題を文章で問いかけることができる。いろいろ目移りしているように見える人生ですが、私の中ではすべてがバランスよく同居しているんですよ。