「一度だけ両親に対して、『なんで私を産んだの』と本気で怒りをぶつけたことがあります。芸能人の子どもということで嫌な思いをいっぱいした小学生の頃。」

ポジティブな母の性格を受け継いで

『婦人公論』に登場するたびに、家族の近況を楽しく披露してくださった岡江さん。美帆さんにとって、どんな母親だったのだろう。

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母は前向きで、発想の転換がとにかく上手でした。たとえば道に迷っても、迷った先で素敵なお店が見つかったらラッキーと考えることができる。そんな母の影響で、私はポジティブな性格に育ててもらいました。

家でじっとしている姿は見たことがありません。仕事はすごく忙しかったはずですが、家事育児はほぼ自分でこなしていました。朝からフル回転で家事をしてから仕事に行き、さらに自分が楽しむために、友人との食事や旅行などの時間もちゃんと捻出。あれでは休んでいるヒマはありませんよ。母を知る人たちからは、「止まったら死んじゃう回遊魚だね」と言われていました。

父と母は、性格的には正反対でしたね。母はいつも前向きでポジティブ、刺激を求めてどんどん行動するタイプ。一方、父は慎重で先々のことを考えて予測し準備してから動くタイプ。私の性格は母譲りの部分が大きい気がします。

教育方針も二人は全然違いました。父は厳しくて、有無を言わさずダメなものはダメ。母は教育については何も言いませんでした。両親から勉強しろと言われたことはなく、習い事はなんでもやらせてくれました。