近くの公園で風に吹かれる和子さん(撮影・神藏美子)

コロナウイルスに感染し、入院

4月の終わりに3回目の緊急事態宣言が発令された直後、老人ホームの和子さんがいる階でコロナ感染が起こりました。その階の入居者のPCR検査をしたら、数名の陽性者が出て、和子さんも陽性だったという連絡が入りました。

新型コロナウイルスのテレビ報道を毎日のように見ているのに、ぼくらの周りでコロナに罹った人が1人もいなかったので、まさか和子さんがコロナになるとは思ってもみませんでした。あんなに厳重にコロナ対策をしていた老人ホームなのに、それでもコロナウイルスは入って来るということに恐怖を感じました。

和子さんは熱があるので、近くの緊急医療病院に入院しました。誤嚥性肺炎にもなっていたので心配だったのですが、コロナ病棟のため見舞いにも行けません。美子ちゃんが病院に様子を聞くと、高熱が出ているので点滴と酸素吸入をしているということでした。

入院から2週間後、感染リスクがなくなって、和子さんが一般病棟に移されたので、美子ちゃんと病院に行きました。和子さんがいる個室に入ると、点滴と酸素マスクを付けた和子さんがベッドに寝ていて、目を閉じて苦しそうに呼吸していました。

心拍数や呼吸数、酸素飽和度などを表示するバイタルサインモニターを見ると、心拍数が108、酸素飽和度が77となっていました。かなり危ない状態のようです。和子さんが「水」と言うので、天然水を自販機で買ってきて、スポンジに含ませて飲ませてあげました。美子ちゃんのお兄さん夫妻も来て、みんなで和子さんを囲み、手を摩ったり声を掛けたりしていました。