生徒と教師が信じあって

なぜ、教師陣はそれほど“燃えた”のか。それにはちょっとしたワケがあった。

以前、聖マリアにも難関国公立大を受験しようとする生徒がいたが、たいていその対策は予備校頼みで、学校の教師に相談することはほとんどなかった。だが、春佳さんは教師を信じ、懸けた。その気持ちに応えようと教師と学校は、全面的に応援を継続。

『ドラゴン桜2』(著:三田紀房/講談社) 第17巻「136限 自分だけじゃない」より。(C)三田紀房/コルク

それは学校史上初の「東大合格」の実績を生み出したいという思いもあったかもしれない。しかし豊子さんによれば、そうした打算ではなく「春佳は『私を東大レベルまでひっぱりあげて』とお願いして一点の曇りもなく先生を信じ抜きました。先生方も春佳をある意味、“特別扱い”して底力を信じて教えてくださった。その結果です」と受け止めている。

「準備万端で臨めた結果、東大の試験本番でも一切緊張せず、いつも以上の実力が出せたんです。最後は『応援してくれた先生たちのために絶対に受かりたい』って思っていました」(春佳さん)