北斗さんにもらった申年の梅

それでも「日にちぐすり」とはよく言ったもので、日に日に身体はラクになっていった。

翌々週に入っている仕事はプロレスラーの役のドラマだった。ドラマに入る前に、わたしは娘を連れて北斗晶さんに会いに行った。
患部に負担をかけずに強く見せる身体の動きを教わる為に。

プロレスラー役で復帰する青木さんに演技指導する北斗明さん。がんの先輩でもある（写真提供◎青木さん）
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北斗さんはプロレスラーの知識を惜しみなく教えてくださったあと、ごはん食べてけ！と手料理を振る舞ってくれた。食事のあとは、野菜もってけ！と新聞紙にくるんだ野菜達をどんどん車に乗せた。

野菜のあとは、お菓子もってくか〜と、娘に大量のお菓子をくれた。お菓子のあとは、梅酢もってけ！申年の梅は縁起がいい！申年に作ったやつ、申年！と言いながら、梅関連のいろんな液体と固体を車に乗せた。

梅が済んだあと、「さやかちゃんからだ気をつけるんだよ、1人で大変だったね、頑張ったね」と、そっとわたしに言って北斗さんは泣いた。
わたしは北斗さんに会って元気なプロレスラーになれた。

今でもテレビで北斗さんを見かける度に思い出す。

「申年の梅は縁起がいい！」ということを。

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10月20日から白井晃 演出の「Home I'm Darling ～愛しのマイホーム～」（シアタークリエなど）に出演する。