「野球をやっている時だけは、仕事のことも、その時悩んでいることも全部忘れられる。自分にとって、ものすごく大切な存在です。」
ミュージカル『刀剣乱舞』など、舞台やドラマで活躍する俳優・黒羽麻璃央さん。7月に所属事務所の取締役になったことが話題になりました。また、総勢37名の舞台俳優で構成される、野球×エンターテインメント『ACTORS☆LEAGUE』の発起人にもなって――。挑戦に次ぐ挑戦の理由を聞きました。(構成=上田恵子)

一番やりたいことは「野球」

根っからのスポーツ好きで、小学生の頃は、友達がいるからという理由で始めたミニバスケットボールのチームに所属していました。自我が芽生えると「自分が本当にやりたいことって何だろう?」と考えるようになり、「小さい頃から遊んでいた野球がやりたい!」という結論に。その後、ミニバスのチームを退団し、地元・仙台の少年野球団に入団しました。小学4年生か5年生の時だったと思います。

そこから中学3年になるまでは野球一筋でしたが、あるとき肘を壊してしまって。医師から「高校野球はできません」と告げられ、野球を続けることを断念しました。残念な気持ちはありましたが、正直結構な痛みがあったので、未練なくスパっと諦められたのだと思います。

地元で、野球に打ち込んでいた頃(写真提供:黒羽さん)

あれから10年以上がたちますが、今でも「一番やりたいことは?」と聞かれると、真っ先に野球のことが頭に浮かびます。野球をやっている時だけは、仕事のことも、その時悩んでいることも全部忘れられる。自分にとって、ものすごく大切な存在です。