意外な共通点が見つかり、盛り上がった小倉智昭さん(左)と青木さやかさん(右)
22年間司会を務めた長寿番組『とくダネ!』が2021年3月に終了した小倉智昭さん。タレントとして活動しながら、執筆という新しいジャンルに挑戦、自伝的エッセイ『母』を上梓した青木さやかさん。借金を重ねた過去から、親との別れ、闘病まで、赤裸々に語り合いました(構成=岡宗真由子 撮影=初沢亜利)

消費者金融に顔が売れていた時期も

小倉 青木さんのウェブの連載エッセイが話題になった時に、『とくダネ!』にご登場いただきましたよね。今回上梓された『母』も、とても読み応えがあって、青木さんと話をしてみたいと思って。

青木 小倉さんのようにたくさんの本を読んでいらっしゃる方に言っていただけると、なおさら嬉しいです、ありがとうございます。

小倉 文章力があって面白いうえに、同業者なので全編を通して自分を振り返るところがありました。僕も結構お金に苦労したんでね。でも、女性タレントさんで、過去の借金やギャンブルの話まで書くって、あまりいないんじゃない? 勇気があると思ったな。

青木 小倉さんはテレビ局のアナウンサーをなさっていましたよね。お金に苦労する時代なんてあったのですか?

小倉 独立して7~8年は仕事がほとんどなくて、食えなかったんです。しかも競馬とかパチンコにはまって、消費者金融に顔が売れてた時期がありましたよ。

青木 私も消費者金融を「私の銀行」って呼んでました(笑)。芸能界に入って完済できた時には「お願いですからカードだけでも持っていてください」と言われて(笑)。ありがたかったですし、あの頃支えていただいて感謝しています。

小倉 最初はね、あたりを見回してこっそり入店するけど、だんだん慣れてしまうんだよね。(笑)

青木 私も麻痺してしまったのか、「よくあそこまで書いたね」と感想をいただいて驚いたというか。私としては、かつてギャンブルが好きな時期があり、その時は経済的に大変だった、と書いただけのつもりですが、なぜか世間では「ギャンブル依存症を克服した人」ってことになっていました。