「ベストなタイミングって、若い時に限らず、人生のあちこちにちりばめられているのかもしれませんね。」(撮影:宅間國博)
14歳で鮮烈なスクリーンデビューを果たし、以降さまざまな作品で印象的な役を演じてきた柳楽優弥さん。経験を積んでもなお、満足することはないと言います(撮影=宅間國博 構成=上田恵子)

稽古事にハマっています

昔から、稽古事や習い事をするのが好きで、興味をひくものに出合うと挑戦せずにはいられません。なかでも長く続けているのは護身術。10年ほど前、一時俳優業から離れてアルバイトをしていた時期に、「かっこいい男になるには武道だろう!」という発想で通い始めました。昇段して帯の色が変わっていくのが楽しいですし、今も道場へ行くと、初心に戻れる気がして身が引き締まります。

同じように、「品のある人間になりたい」という思いから茶道も習っていますし、食への関心が高まって味噌を手作りしてみたり……。入り口は単純な興味ですが、いつか何かの形で仕事に役立てばいいなという思いもあります。

コロナ下ではアウトドアで過ごすことが増え、釣りにハマったことを機に一級船舶免許を取得しました。現時点でゾウ、馬、バイク、車、船に乗れるので、陸海空のうち残るは空だけ。実は、ヘリコプターの操縦免許についてはネットで調べ済みです。(笑)

今年の4月からピアノも始めました。実は高校生の時に一度挑戦したものの全然ハマらなかったんですが、再度やってみたら楽しくて。ベストなタイミングって、若い時に限らず、人生のあちこちにちりばめられているのかもしれませんね。

今は坂本龍一さんの「戦場のメリークリスマス」の初心者バージョンを練習中で、結構弾けるようになりました。僕は、毎朝必ずお風呂に入るのですが、給湯ボタンを押してからお湯が張り終わるまでの間、ピアノを弾きながら待つのが日課です。